「iDeCo、なんとなく積み立てているだけになっていませんか?」
私もずっと「やっておけば安心」くらいの気持ちで続けてきました。でも改めて節税効果を計算してみたら、iDeCoの本当の実力は多くの人が思っているより、ずっと大きいことが分かりました。
久しぶりにiDeCoの口座を開いてみたら、こんな残高になっていました。
7,120,841円
2016年7月から積み立てを始めて約9年11ヶ月。月23,000円の拠出を続け、元本約274万円が約712万円に成長しています。約2.6倍です。
運用先は現在100%オルカン(全世界株式インデックス)。最初の頃は投資初心者だったこともあり、TOPIXやREITを少し混ぜていましたが、途中でオルカン100%に変更しています。
計算してみると、年率で約18〜19%のペースで増えていました。想定の年率7%を大きく上回る嬉しい誤算です。
ただ、残高が増えているのを見てふと思いました。
受取時の税金……いくらになるの?
iDeCoはお得と言うけれど、実際いくら得するの?
毎年の節税額と受取時の課税額を含めた、正味の節税額を計算してみました。
ここからは分かりやすいように、モデルケースで試算します(私の実データそのままではなく、年収や勤続年数を一般的な会社員に置き換えた条件です)。
今回の計算条件はこちらです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 勤続年数 | 22歳〜60歳・38年(転職なし) |
| 退職金 | 1,000万円 |
| iDeCo拠出期間 | 31歳〜60歳の30年間 |
| 課税所得 | 402万円(年収約800万)で一定 |
| 運用利回り | 年率7%(保守的な想定) |
| 掛金 | 月23,000円(年27.6万円)※うち運用分は月22,829円(口座管理手数料171円を除く) |
①毎年の節税額
まず課税所得から所得税・住民税を計算します。
iDeCoありの場合(課税所得402万円)
所得税:37.65万円 + 住民税:40.2万円 = 77.85万円
iDeCoなしの場合(課税所得429.6万円)
所得税:43.17万円 + 住民税:42.96万円 = 86.13万円
差額 = 年間8.28万円の節税。30年間の合計節税額は約242万円になります。
②受取時の課税額
退職所得控除(38年勤務):2,060万円
iDeCo残高(30年・年率7%運用):約2,785万円
(2,785万 + 退職金1,000万 − 退職所得控除2,060万)× 1/2 = 862.5万円
862.5万 × 23% − 63.6万 = 約134.8万円
結果:単純な節税額
242万円(節税)− 134.8万円(受取課税)= 約107万円
なお、この受取課税は退職金とiDeCoを同じ年に一括で受け取る、最も不利なパターンで計算しています。受け取る年をずらすなど工夫すれば税金はさらに抑えられます(この方法は別記事で詳しく書く予定です)。
……微妙じゃないですか(正直に言います)。
2,000〜3,000万円もの資金を60歳まで拘束されて、得られる果実が107万円。
2,000万円以上を数十年も拘束されて、見返りが100万円ちょっと。思わず天を仰ぎました。「これだけ我慢して、これだけ……?」と。
まあ、嘆いていても仕方ありません。「やらないよりはマシかな」ぐらいの感覚、正直あります。
でも、まだ計算していないiDeCoの実益があります。
iDeCoの本当の正体は「税金の後払い」制度
iDeCoの仕組みをよく考えてください。
拠出時に節税されて、受取時に課税される。つまり、税金の「後払い」なんです。しかも、数十年先の後払いです。
何が言いたいかというと、毎年節税で浮いた8.28万円を、30年間運用に回すことができます。
計算してみましょう。毎年8.28万円 × 30年間 × 年率7%で運用すると…
約840万円
ここから受取時の課税額134.8万円を引くと、
840万 − 134.8万 ≈ 705万円
この約700万円がiDeCoによる本当の実益です。長年2,000〜3,000万円が拘束されるけど、実質700万円の利益。これなら満足できますよね。
※この試算は、特定口座の運用益にかかる税金などを省いたざっくりした概算です。細かい数字より「節税分を寝かせず再投資すると、iDeCoの価値は数倍になる」という考え方をつかんでもらえれば十分です。
複利そのもののインパクトについては、家計の黒字を複利で運用してきたリアルな体験談でも詳しく書いています。あわせてどうぞ。
まとめ
- iDeCoの単純な節税メリットは約107万円(このケースの場合)
- 本質は「税金の後払い」→ 節税分を再投資すると実益は約700万円
節税で浮いたお金をどこに回すか、そこまでセットで考えて初めてフル活用です。
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