暴落が来たらどうする?積立期とFIRE後で変える、我が家の4つのルール

盾を構えるスーツのクマと5%の現金袋、V字回復する株価チャート。暴落が来たらどうする?積立期とFIRE後で変える4つのルール

💡 この記事は我が家の体験と考え方をまとめたものです。特定の投資商品や売買を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、相場の先行きは誰にも分かりません。過去の回復実績は将来を保証するものではありません。最終的な判断はご自身で。

株高が続いています。資産の数字が増えていくのは、正直うれしい。

でも、私は心のどこかで、こうも思っています。

「暴落、来てもいいぞ」——と。

変に聞こえるかもしれません。でもこれは、まだ積立を続けている私なりの、ちゃんとした理由がある本音です。今日は、暴落をどう考え、株高の"今"のうちに何を備えているかを書きます。

目次

暴落は「いつか」来る前提で、備えておく

まず、過去の大きな下落局面を振り返ります。米国を代表する株価指数であるS&P500と、その前身指数で、20%以上の下落が起きた代表的な局面を並べてみました。

暴落(ピークの年)下落率(高値→底)底から高値回復まで(目安)
世界恐慌期(1929〜1932年)約 −86%約20年以上
1937年の下落約 −54%約4年
1946年の下落約 −30%約3年
1956年の下落約 −22%約1年
1961〜62年の下落約 −28%約1年
1966年の下落約 −22%1年弱
1968〜70年の下落約 −36%約2年
オイルショック(1973〜74年)約 −48%約6年
1980〜82年の下落約 −27%約5年
ブラックマンデー(1987年)約 −34%約1年半
ITバブル崩壊(2000〜2002年)約 −49%約5年
リーマンショック(2007〜09年)約 −57%約4年
コロナショック(2020年)約 −34%約半年
金利上昇による下落(2022年)約 −25%約1年半

※数値はS&P500および前身指数の名目株価をもとにした概算です。下落率は高値から底まで、回復期間は底をつけてから暴落前の高値に戻るまでのおおよその目安です。配当を含むか、物価で調整するか、どの高値・底値を採用するかによって数字は変わります。過去の実績は、将来の回復を保証するものではありません。

同じ「暴落」でも、下落幅も、回復までの時間も大きく違います。リーマンショックのように、元の高値に戻るまで長い時間がかかった局面もあれば、コロナショックのように、急落のあと比較的早く高値を取り戻した局面もありました。だからこそ、「過去はこうだったから、次もこうなる」と決めつけることはできません。

正直に言うと、リーマンショックのときは、私はまだ投資を始めていませんでした。世の中は阿鼻叫喚だったのでしょうが、私にとっては想像の世界です。

でも、こうして並べてみると、はっきり分かることがあります。株式市場では、予想できない大きな下落が、これまで何度も繰り返し起きてきたということです。

次にいつ、どの程度の下落が来るかは、誰にも分かりません。でも、「またいつか来る」可能性を前提に、準備しておくことはできます。

だから、考えるべき問いは「暴落は来るか?」ではありません。「暴落が来たとき、自分はどう動くか?」 です。

正直に言うと、積立中の今は「暴落、来てくれ」とすら思っている

株高はうれしい。でも、私はまだ積立期です。これから何年もかけて、コツコツ買い続けていく立場。

ということは、これから買う分には、株価が高いほど不利なんです。同じ金額でも、株価が安いほうがたくさんの口数を買える。だから理論上は、積立期の暴落は"バーゲンセール"。安く仕込めるチャンスでしかありません。暴落は歓迎だと、理屈では思っています。

理想を言えば、積立をしている間はずっと株安で、積立を終えて取り崩す段階になったら株高——これが一番おいしい。でも、相場はそんなに都合よくできていません。

そして、ここからが本音です。

理屈で「暴落は歓迎」と分かっていても、いざ資産が減ると、メンタルはガッツリやられます。

2018年末も、コロナショックのときも、生活の不安はありませんでした(生活防衛資金はあったので)。でも、画面の中で資産がみるみる減っていくのは、やっぱり悲しかった。 理屈と感情は、まったくの別物です。ここは正直に書いておきます。

本当に怖いのは「取り崩し期」の暴落

整理すると、暴落の怖さは、自分がどの段階にいるかでまるで違います。

  • 積立期の暴落:メンタルは痛い。でも家計は痛くない。むしろ安く買えて、将来の口数が増える。
  • 取り崩し期の暴落:これが本当に怖い。

なぜか。FIRE後など、資産を取り崩して生活している時期に暴落が来ると、値下がりした資産を売って生活費に充てることになります。資産価格が下がった時期に取り崩しが重なると、同じ生活費を作るために、より多くの口数を売ることになります。その結果、回復局面で増えるはずだった資産まで、先に減らしてしまう。これが、いわゆるシーケンスリスクです。

我が家の答えは、はっきりしています。取り崩し期に大きな暴落が来たら、その時期だけ働いてやり過ごす。 完全リタイアに固執しないのは、まさにこのためです。底値で資産を売り続けるくらいなら、数年だけ働いて、回復を待つ。(このあたりはFIREに必要な金額の記事生活防衛資金の記事にも書きました。)

なお、FIRE後は、後で書く「買い増し」をするつもりはありません。 取り崩し期の暴落では、追加投資よりも、生活防衛資金や安全資産で生活費をまかない、安値で株を売らないことを最優先にするつもりです。それでも暴落が長引いて生活防衛資金だけでは不安になれば、その時期だけ働く。我が家にとっては、「完全に働かないこと」よりも、「安値で資産を取り崩さずに済むこと」のほうが、ずっと大事だからです。

つまり、暴落への対応は、積立期と取り崩し期で変える。積立期は余力で買い増しを考え、取り崩し期は耐えて、必要ならまた働く。この二段構えが、我が家の基本方針です。

当時は無策だった。だから今は「平時に決めておく」

ここで正直な告白を。

2018年末も、コロナショックのときも、私は事前の備えなんて、ほとんどしていませんでした。 そんな知識、当時の私にはなかった。唯一効いたのは、たまたま持っていた生活防衛資金くらいです。

その経験から学んだ、一番大事な備えがこれです。

暴落が来たときの行動を、株高で気分のいい"今"のうちに決めておく。

理由はシンプルで、暴落のど真ん中では、人は冷静な判断ができないからです。資産が減っていく恐怖の中で「さあ、どうしよう」と考え始めたら、たいてい間違える。だから、判断は平時に済ませておいて、暴落の当日は"決めた通りに動くだけ"にする。

これは、オルカンを投資信託で積み立てる記事などでも書いてきた、我が家の一貫した考え方です。自分の意思の強さを、信用しない。 強い意志に頼るのではなく、先に仕組みとルールを決めておく。

株高の今、私が決めていること

具体的に、今のうちに決めていることを4つ書きます。

① 生活防衛資金は、投資とは別腹で確保ずみ

暴落が来ても生活が揺れないのは、これがあるからです。投資のお金とは完全に分けてあります(→生活防衛資金の記事)。

② 暴落(直近高値−20%)が来たら、"余った現金"で少し買い増す

正直に白状すると、これは「儲けるための作戦」ではありません。

そもそも私は、毎月オルカンを自動で積み立てています。ということは、暴落で株価が下がれば、毎月の積立が勝手に"安いところで多めに買って"くれる。わざわざ現金を構えて待たなくても、積立を続けているだけで、暴落はもう買えているんです。

しかも、我が家の現金は、「暴落に備えて意図して用意した待機資金」ですらありません。毎月の自動積立からあぶれて、口座に自然にたまっていく分(だいたい投資資産の5%くらい)です。狙って現金を握っているのではなく、気づいたら少し余っている、というだけ。

それでも、暴落のときにこの余った現金を買いに回すと決めているのは、理由がひとつだけ。自分に"やること"を与えるためです。

暴落の最中、本当に怖いのは、5%を入れ損ねることではありません。恐怖にのまれて、残りの95%を投げ売りしてしまうことです。これをやったら一発で終わる。でも「暴落の日は、余った現金で少し買い増す」と決めておくと、買う側に立てる。買う側にいると、不思議と売る気が起きないんです。恐怖を、売りではなく買いの行動に変えてしまう——それが本当の狙いです。

「どこからが暴落か」を曖昧にしないために、我が家では"直近高値から20%以上の下落"を暴落の目安にしています(一般に、20%以上の下落は「弱気相場」の目安として使われます)。一気に全部、ではありません。狼狽買いでもない。生活防衛資金には手をつけず、−20%・−30%…と小分けに、余った現金の範囲で少し多めに買うだけ。

要するにこのルールは、利益を取りにいく技ではなく、残りの95%を売らずに握り続けるための"仕組み"です。毎月の積立で暴落はもう買えている。それでも余った現金をぶつけるのは、その日に"買う側"でいられると、不思議と冷静でいられるからです。

③ 焦って売るのは、絶対にしない

これだけは死守します。我が家がこれまでやらかしてきた失敗を振り返っても、一番もったいないのは、暴落の底で焦って売ることでした。売らずに握っていれば、ここまでは戻ってきた。だから、何があっても投げ売りはしない。

④ 株高で気を大きくしない(レバ・集中投資はやらない)

株高で含み益が増えると、つい気が大きくなります。「もっと攻めればよかった」「レバレッジをかければ倍儲かったのに」と。

でも私は、レバレッジも、個別株への集中投資もやりません。 理由は単純で、暴落が来たときに、自分が焦るから。 上げ相場で背伸びした分は、下げ相場で必ず後悔する。含み益は、売るまではただの幻です。増えた数字に、気を大きくしないようにしています。

暴落は、いつか笑い話になる

最後に、本音をひとつ。

暴落が来たら、メンタルはやられます。それは間違いない。でも、私はこうも思っています。

たぶん、いつか、いい思い出になる。

もし資産が半分になったら……さすがにその瞬間は笑えないかもしれません(笑)。でも何年か経てば、「あのときは本当に生きた心地がしなかったな」と、笑い話にできる気がするんです。歴史がそうだったように、たぶん相場は、また時間をかけて戻っていく(保証はないけれど)。

暴落は、身構えて「耐える」イベントというより、平時にちゃんと備えておけば、"通り過ぎるのを待つだけ"にできます。来るか来ないかでビクビクするより、来る前提で、一手を決めておく。

暴落は「いつか来るかもしれない」ものとして、まだ来ていない今日のうちに、備えておく。 株高で気分のいい今こそ、いちばんやる価値のあることだと思っています。

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この記事を書いた人

アラフォーのパパ。家計の黒字を世界株インデックスに回す投資と、固定費中心の節約を13年以上実践中。机上の空論ではなく、自分の家計簿と証券口座の“数字”をもとに、投資・節約・子育てのリアルを発信しています。経済的自立(FIRE)を目指して奮闘中。

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