※この記事は我が家の体験と考え方をまとめたものです。投資は元本割れのリスクがあり、特定の手法や商品を勧めるものではありません。最終的なご判断はご自身で、必要なら専門家にご相談ください。
「メンタル強いですね」と言われることがあります。
暴落が来ても株を売らずに持ち続けられるからだと思います。でも、正直に言うと、私はメンタルが強いわけではありません。
むしろ昔は、下げのたびに心がザワついていました。今こうして動じずにいられるのは、性格のおかげではなく、2度の暴落で痛い目を見て、ブレない“設計”にたどり着いたからです。
投資でいちばん難しいのは、「買うこと」より「持ち続けること」だと思います。今日は、私がどうやって“持ち続けられる自分”になったのかを書きます。
私が忘れられない、2つの暴落
2018年末――初めての下げ
当時の私は、まだ個別株がメインでした。オルカン(全世界株のインデックス)も持ってはいましたが、それなり、という感じ。
2018年の年末、相場が大きく下げました。みるみる減っていく個別株を見て、それまであった利益が吹き飛び、ショックを受けたのを今でも覚えています。
私にとっては、これが初めての本格的な下げでした。年末年始、実家に帰っていても、心がどこか休まらない。あの落ち着かない感覚は、今でも忘れられません。
2020年――コロナショック
次に来たのが、コロナショックです。
下げは、確かにキツかった。ただ、このときの私は「コロナは一過性のもので、世界経済がこのまま終わるわけではない。いずれは戻るだろう」と見ていました。とはいえ、不安がなかったと言えば嘘になります。
それでもなんとか鬼ホールドし、その後の上昇相場にうまく乗ることができました。売らずに持ち続けたことが、結果的にいちばん効いた瞬間でした。
暴落が私を変えた――オルカンへの一本化
この2つの下げは、私の投資のやり方を大きく変えました。
家を買うとき、私はそれまで持っていた個別株の多くを売りました。そして家を買ったあと、また働いて種銭が増えていくお金は、ここからほぼ全部オルカンに投資することにしました。
理由はシンプルです。2018年末とコロナ、2つの下げを経て、自分にとって「最もメンタルが安定するのがオルカンだ」と、身をもってわかったからです。
なぜオルカンだと安定するのか。私の場合はこう考えています。個別株なら「この会社は大丈夫か」と一社ごとに不安になりますが、オルカン(全世界株)なら「世界経済そのものが終わるか」を考えるだけで済む。 心配の対象がぐっとシンプルになるんです。
個別株は、値動きが一社一社の事情に左右されますし、何より自分の心がザワつく。私には向いていませんでした。(個別株で遠回りした話は、こちらの記事に詳しく書きました。)
今は、暴落が気にならない
オルカンに一本化してからは、世界が変わりました。
その後の2022年の下げも、いわゆるトランプショックも、日銀ショックと言われた急落も、正直、まったく気になりませんでした。 周囲が騒いでいるのを見ても、「またこういう時期が来たな」と思うだけでした。
これは、私のメンタルが急に強くなったからではありません。「大きく下げても、これまでの世界株は長期では回復してきた」という事実を、2度の暴落で体感したこと。そして、いちばんブレない商品に絞ったこと。 この2つが、私から不安をほとんど取り除いてくれただけなんです。(もちろん、過去がそうだったからといって、未来も同じとは限りません。それでも、歴史を知っているだけで不安はずいぶん小さくなります。)
我が家の「見ない」仕組み――資産チェックは月1回だけ
メンタルを安定させるうえで、もう一つ大事にしていることがあります。総資産を、月に1回しか見ないことです。
家計簿アプリ(マネーフォワード)は使っていますが、私はこれを支出の集計にしか使っていません。資産管理はしていません。
資産のほうは、月に1回、自分の口座をひと通り確認するだけ。我が家の口座はこんな構成です。
- 私:SBI証券+銀行、SBI証券のiDeCo、楽天証券+銀行、地方銀行
- 妻:SBI証券+銀行、SBI証券のiDeCo、地方銀行
これらを月1回チェックして、自分で作ったスプレッドシートに数字を書き写すだけ。 折れ線グラフも作っていて、資産の推移をそこで眺めます。それで終わりです。
毎日は見ません。なぜなら、見ても、どうせ何もしないと決めているから。 だったら、わざわざ毎日見て心を乱す必要がない。「見ない」こと自体が、狼狽売りに対する最大の予防策だと思っています。
(これは家計を月1回だけ見る感覚と同じです。→ 私が家計簿をつける目的)
ほったらかしを支える、3つの土台
私が暴落でも動じずにいられるのは、次の3つがそろっているからだと思います。
- オルカン1本に絞る……個別株のように、一社の事情で心がザワつかない
- 生活防衛資金を現金で持っておく……暴落しても、株を取り崩さずに済む安心感(→ 生活防衛資金はいくら必要?)
- 積立を自動化し、月1回しか見ない……感情が入り込むスキを、仕組みで減らす
この3つがあると、暴落が来ても「やることがない」状態になります。やることがなければ、慌てようがありません。
まとめ:ほったらかしは「性格」ではなく「設計」
「ほったらかし投資」と聞くと、メンタルが強い人の特権のように思えるかもしれません。でも、私はそうは思いません。
私がほったらかしを続けられているのは、強い性格のおかげではなく、
- 2度の暴落を経験して、「世界株は長期では回復してきた」という歴史を体で実感したこと
- 自分にとって最もブレないオルカンに、一本化したこと
- 見すぎない仕組みを作ったこと
この積み重ねです。続けられる理由を一言で言うなら、知識と経験。あとは正直、仕事が忙しくて、相場を眺めている暇がないのもあります(笑)。
メンタルは、無理に強くしようとしなくていい。感情が入り込まないように“設計”してしまえば、ほったらかしはぐっと続けやすくなる。 少なくとも私の場合は、性格よりも仕組みの影響のほうがずっと大きかった――これが、13年投資を続けてきた私の実感です。
