嫁ブロックを突破するまでの話|我が家が投資を始めるまで

嫁ブロック|I have a dreamのプレゼンをするスーツのクマと、腕組みする妻グマ・赤ちゃんグマのイラスト

今でこそ、我が家の資産の大半は投資に回っています。妻が反対することもなく、NISA口座も家族全員分そろっています。

でも、最初からこうだったわけではありません。むしろ私が「投資を始めたい」と言い出した頃は、強力な“嫁ブロック”がありました。

ご存じない方のために説明すると、“嫁ブロック”とは、妻(配偶者)の反対で、やりたいこと――ここでは投資――をなかなか始められない状態のこと。我が家のそれは、なかなか手強い相手でした。

今日は、私がその嫁ブロックをどうやって突破したのか――いや、正確には「どうやって少しずつ理解してもらえたのか」、その頃の話を書いてみます。我が家の、ちょっと笑える黒歴史でもあります。

※この記事は我が家の体験談です。特定の商品や投資をすすめるものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。ゆるい読みものとして、お付き合いください。

目次

小学生の頃から、FIREに憧れていた

私は小学生の頃から、漠然とFIRE(経済的自立と早期リタイア)のような生活に憧れていました。毎日会社に行かなくても暮らせて、好きなことをしながら生きていける――そんな人生に、ずっと憧れていたんです。

結婚して子どもが生まれた頃、私は31〜32歳。世帯の手取りは800万円ほどで、貯蓄率は50%近くありました。家計としては、順調なほうだったと思います。

ただ、自分なりに計算してみると、このまま貯蓄だけで進んだ場合、FIREできるのは55歳頃。その数字を見て、私は正直こう思いました。

「55歳は、遅すぎる」

なんとか、もっと早くたどり着けないか。そこで考えたのが、株式投資でした。

妻に相談したら、あっさり却下された

さっそく妻に相談しました。返事は、あっさり。

「ダメ」

長期で見れば成長すること、複利の力があること、資産形成に有効なこと。私は一生懸命に説明しました。でも今振り返れば、当時の私自身、投資をそこまで深く理解できていたわけではありません。熱意だけが空回りして、当然、妻にはまったく響きませんでした。

PowerPointで“プレゼン”することにした

口で言ってもダメなら、資料を作ろう。そう考えた私は、PowerPointでプレゼン資料を作り始めました。当時の私は、本気でした。

資料のタイトルは、ずばりこれです。

「I have a dream」

冒頭にはキング牧師の写真を大きく載せました。私には夢がある。FIREしたい。そのためには投資が必要だ――そんな構成です。過去の株価推移、予想収益率、暴落のリスク。良いことばかりでなく、悪いこともちゃんと載せました。

スライドは全部で8枚ほど。最後のページでもう一度キング牧師を登場させ、「I have a dream」で感動的に、そしてユーモアたっぷりに締める。……そのはずでした。

プレゼン中に覚えた、強烈な違和感

いよいよ当日。私は自信満々で説明を始めました。ところが4枚目あたりで、ふと違和感を覚えます。スライドに、覚えのない一文が混じっているのです。

「あれ?」とは思いました。でも夜遅くまで資料を作っていたので、「疲れていて、自分で入れたのかな」と、そのまま続行。

そして、最後のスライド。キング牧師で感動的に締める――はずでした。ところが、キング牧師の横に、なぜか当時0歳だった我が子の写真。しかも、吹き出し付き。そこには、こう書かれていました。

「でもママが、投資はリスクもあるって言ってたよ」

私の壮大な夢は、当時0歳だった我が子のひと言で、見事に打ち砕かれました。

一瞬、頭が真っ白になりました。隣を見ると、ニヤニヤしている妻。どうやら資料は事前に見つかっていて、こっそり改ざんされていたんです。

あのときは恥ずかしくてたまりませんでしたが……今思い出すと、笑えます。

最終的に出た、条件付きのOK

プレゼンの結果は、完全勝利とはいきませんでした。それでも、話し合いの末に条件付きで許可が出ます。条件はこうでした。

  • 初期投資は100万円まで
  • 追加は月3,000円まで

当時の我が家の資産は1,500万〜2,000万円ほど。貯蓄率も高かったので、妻としては「これくらいなら大きな問題にはならない」と考えたのでしょう。あるいは、放っておくと私が勝手に始めそうだ、と察したのかもしれません。今振り返ると、かなり現実的な落としどころでした。

私は毎月、勝手に“報告”していた

投資を始めてから、私は妻に定期的に報告するようになりました。ルールだったわけではありません。ただ私が、勝手に、嬉しそうに話していただけです。

「あの株を買った」「これを売った」「今はこれくらい増えてる」「配当金が入った」――。

妻は、たいてい面倒そうに聞いていました。それでも、聞いてはくれていた。今思えば、この地味な積み重ねが、じわじわ効いていたのかもしれません。

オリックスの優待が、嫁ブロックを溶かした

大きな転機は、オリックスでした。当時のオリックスには株主優待があって、カタログギフトから好きな商品を選べたんです。

ある日、その優待カタログが届きました。妻が、楽しそうにページをめくっている。私はそれを横目に、心の中でひそかにガッツポーズです。

その姿を見て、私はひとつ学びました。「株価が上がる説明より、優待のほうが、よっぽど伝わるんだな」と。

どれだけ複利を説明しても響かなかったのに、カタログギフトは一発でした。投資の本には載っていない、大事な学びだった気がします。

その後、妻名義の口座も、子ども名義の口座も開設。家族3人分の優待が届くようになりました。海鮮丼のセット、お肉、果物……あれこれ選ぶのが、ちょっとした我が家の楽しみになっていきました。

このとき学んだのは、投資は数字だけじゃない、ということ。家族が実際に「もらえて嬉しい」と感じられるものがあると、投資を見る目がガラッと変わるんです。

気づけば、嫁ブロックはなくなっていた

その後、2人目の子どもが生まれたときには、もう何も言われず、すぐに証券口座を作りました。少しずつ、本当に少しずつ、嫁ブロックは解除されていったんです。

やがて家も購入しました。投資を続けながら家計も安定し、我が家なりのペースで資産形成を進めることができました。そして今。我が家の資産の大半は、投資で運用しています。妻から投資を反対されることは、もうありません。

まとめ|嫁ブロックは、悪者じゃなかった

当時の私は、「なんで理解してくれないんだ」と思っていました。でも、今ならわかります。

妻は、投資を否定したかったわけではありません。ただ、家族のお金を守りたかっただけなんです。

もしあのとき、私が相談もせず勝手に投資を始めていたら、今のような関係にはなっていなかったかもしれません。だから私は、嫁ブロックを“突破した”というより、時間をかけて理解してもらったのだと思っています。

FIREを目指す道のりは、投資の勉強だけでは進めません。一緒に歩く家族の理解も必要です。我が家の場合、その第一歩は――あの、キング牧師のプレゼン資料から始まりました。

……そして今でも、あのプレゼン資料は、我が家の伝説として語り継がれています。

……ちなみに、投資の嫁ブロックは解除されましたが、今度は「FIRE」そのものの嫁ブロックに遭っています。これはこれで、なかなか手強い。その話は、またいつか書きますね。

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この記事を書いた人

アラフォーのパパ。家計の黒字を世界株インデックスに回す投資と、固定費中心の節約を13年以上実践中。机上の空論ではなく、自分の家計簿と証券口座の“実数字”をもとに、投資・節約・子育てのリアルを発信しています。経済的自立(FIRE)を目指して奮闘中。

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