※この記事は我が家の体験談です。特定の方法や商品を勧めるものではなく、利益や成果を保証するものでもありません。家計管理のやり方は各家庭の状況によって異なります。
「家計簿、つけてますか?」
そう聞かれると、たいていの人は「一応つけてる」「昔やったけど続かなかった」のどちらかだと思います。そして続いている人でも、「何のためにつけているか」と聞かれると、案外あいまいだったりします。
正直に言うと、昔の私もそうでした。家計簿そのものは続いていたけれど、目的ははっきりしていなかったんです。
でも今は違います。私には、家計簿をつける明確な目的があります。
家計簿は好きだけど、目的は曖昧だった
最初に白状しておくと、私は家計簿が苦になったことがありません。働き始めてからこのかた、一度も挫折せずに続いています。
たぶん、単純に好きなんだと思います。子どもの頃から通帳の残高を眺めるのが好きな、ちょっと変わった子でした。お金が動いた記録を見ているだけで、なんだか楽しい。だから「続けるのが大変」という感覚が、そもそもあまりありません。
ただ——続いてはいたものの、昔の私は「何のために家計簿をつけているのか」がはっきりしていませんでした。なんとなく記録するのが好きだから、なんとなくお金を把握しておきたいから。その程度の動機です。
もちろん、つけていると自然と「ここ使いすぎだな」と節約に目が向く効果はあります(とはいえ我が家は、小さな節約は「あえて」やらない派ですが)。それはそれでありがたい副産物です。でも、それは本筋ではありませんでした。
家計簿が「ただの記録」から「人生の道具」に変わったのは、つける目的がはっきりしてからです。
私が家計簿をつける本当の目的
では今、私は何のために家計簿をつけているのか。
ひとことで言うと、FIREの必要額を逆算するためです。
FIREというと、つい資産額ばかりに目が行きます。「1億円あればFIREできる」「いや2億は必要だ」——。でも、資産額より先に知るべきなのは支出のほうです。
FIREを目指すうえで、いちばん大事な数字は「我が家は1年間にいくらで暮らしているのか」です。これが分からなければ、「いくら貯まればFIREできるのか」も計算できません。
以前、FIREに必要な金額を計算した記事を書きました。あのとき「生活費は年500万円」という数字を使いましたが、あれは勘でも願望でもなく、家計簿で実際に測った数字です。家計簿は、私にとってFIREの設計図を描くための実測作業なんです。
家計簿はもともと続いていましたが、目的がはっきりしてからは、その意味がまったく変わりました。「未来の自由のために、今の現在地を測っている」——そう思えると、月に一度の集計が、ただの記録から、人生の設計作業に変わったんです。
支出を「3つ」に分けて把握する
📊 我が家が家計簿で見ているもの
- 生活必需費 → FIRE後も必要
- 娯楽費 → 調整できる
- 子供費 → 将来大きく減る
この3つを把握すると、FIREの必要額が見えてくる。
ただ、年間の生活費が「ぜんぶで○○万円」と分かるだけでは、実はFIREの設計図としては足りません。
私が家計簿で把握したいのは、年間の支出を次の3つに分けたときの、それぞれの金額です。
- 生きていくのに必要な費用(生活必需費)
- 娯楽費
- 子供にかかっている費用(子供費)
なぜ、わざわざ3つに分けるのか。ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
理由は、この3つは「FIRE後にどうなるか」がまったく違うからです。
言いかえると、私は支出を「何に使ったか」ではなく、「FIRE後も必要か」で分類しているんです。食費だ、通信費だ、という費目の話ではありません。FIREしたあとも残る費用なのか、減らせる費用なのか、いつか消える費用なのか——その視点で3つに振り分けています。
① 生活必需費=一生ついてくる土台
食費、水道光熱費、通信費、日用品——。生きているかぎり必ずかかるお金です。
これはFIREしようがしまいが、ほぼ一定で一生ついてきます。だからFIRE必要額の「核」になるのはここ。この金額が我が家の生活の土台であり、いちばんシビアに見ておくべき数字です。
② 娯楽費=自分でコントロールできる部分
旅行、外食、趣味、ちょっとした贅沢。
ここは、いざとなれば自分の意思で増やしたり減らしたりできる「裁量の部分」です。FIRE後に「今年は少し抑えよう」と調整できるのは、基本的にこの娯楽費。
逆に言えば、娯楽費がいくらかを知っておくと、「最低ラインの生活費」と「ゆとりのある生活費」の幅が見えるようになります。私がFIREの試算で「生活費は今500万円、50歳から400万円」と段階を分けたのも、こうやって裁量部分を把握できているからです。
③ 子供費=子どもが独立すると、大部分がなくなる費用
習い事、被服費、教育費。子育て世代の家計でいちばん変動が大きいのがここです。
そして子供費の特徴は、子どもが独立すると、その大部分がなくなること。もちろん、独立後も結婚の援助や帰省、いずれは孫まわりの出費など、ゼロにはなりません。それでも、子育て真っ最中の今と比べれば、ごっそり減る費用です。
つまり、子供費を生活必需費とごちゃまぜにして「我が家の生活費」と考えてしまうと、FIRE必要額を多めに見積もりすぎてしまうんです。「子どもが巣立ったあとの我が家は、年いくらで暮らせるのか」——これが見えるかどうかは、FIRE計画ではかなり大きい。なお、大学などのまとまった教育費は、この月々の子供費とは別枠で考えています(教育費の備え方は別記事に書きました)。
我が家のやり方|マネーフォワード+スプレッドシート、月1で十分
やり方はとてもシンプルです。
まず、マネーフォワードに銀行口座とクレジットカードを連携させて、すべての支出を自動で集めます。現金払いはほとんどしないので、これでほぼ全支出が勝手に貯まっていきます。
そして月に一度、集まったデータをスプレッドシートに書き出して、さっきの3分類(生活必需費・娯楽費・子供費)に振り分けて計算します。
頻度は月1回で十分です。毎日レシートとにらめっこ……なんてことはしません。目的は「年間でいくら、何にかかっているか」を把握することなので、月に一度ざっくり集計できれば、それで設計図は描けます。
家計簿というと「毎日つけるもの」「1円単位で合わせるもの」というイメージがあるかもしれませんが、目的が「FIREの必要額を測ること」なら、そこまでの精度はいりません。続けられる粗さで、必要な数字だけ取る。これが長く続けるコツだと思っています。
まとめ|家計簿は「現在地」を測る地図
家計簿が続かないのは、根気がないからではなく、目的が曖昧だからだと思います。
私の目的は、節約でも、1円単位の管理でもなく、FIREの必要額を逆算すること。そのために、年間支出を「生活必需費・娯楽費・子供費」の3つに分けて把握しています。
- 生活必需費は、一生ついてくる土台
- 娯楽費は、自分で調整できる裁量
- 子供費は、子どもが独立すると大部分がなくなる費用
この3つが見えると、「我が家はいくらあればFIREできるのか」という道筋が、ぼんやりとした不安から、具体的な数字に変わります。
家計簿は、ケチるための帳簿ではありません。自分が今どこにいるのかを教えてくれる地図です。
FIREを目指していなくても、自分がどこにお金を使っているのかを知ることは、決して無駄になりません。でも私にとっての家計簿は、それ以上の意味を持っています——FIREまでの距離を測るための地図です。
